睡蓮を育て始め、4年ぶりにメダカの稚魚たちと会う

昨年の秋、小さな5匹の白メダカを家に迎えて、「メダカのいる暮らし、第2章の始まり」という記事を10月に書いた。メダカのいる暮らし、第1章はその前年の夏にひっそりと終わりを迎えており、記事を読み返すと、一年以上ぶりにまたメダカと暮らせることになって自分はずいぶん嬉しかったようだ。そのとき期待していたように秋のうちに稚魚が生まれるようなことは起こらず、やがて冬になり、メダカたちは冷たい水中でおとなしく藻の間に隠れて過ごしていることがほとんどだった。ちゃんと5匹いるのかもはっきりしない。春になり水温が上がってくると、藻の中での休眠状態から脱して徐々に泳ぎが活発になり、ちゃんと5匹揃って冬を越していたこともわかってひと安心。メダカのいる暮らし、第2章が始まってからすぐに冬になってしまい、あれから半年もほとんど動きがなかったのだけど、ようやっと産卵の季節が到来したのだ。卵を産み付けられるように水草をホームセンターに買いに行ったら、睡蓮の苗が売られているのを見かけて、半ば衝動的にそれも購入。

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旧居にいた頃からメダカと一緒に細々と育ててきた蓮は、どうしても花を咲かせることができないまま、ついに今年は芽も出さずに終わった。蓮がダメなら、と今度は睡蓮に飛びついたわけである。ただ、この蓮鉢、どうも底にひびが入ったらしく少しずつ水漏れするようになっていて、もう一つの蓮鉢にメダカと睡蓮を引っ越しさせる必要があった。まずは、去年まで蓮を植え付けていた土に赤玉土を加えて粘土状に練り、睡蓮を植え付けた。しばらくの間、蓮鉢に張った水が灰色に濁っていて、メダカを泳がせられる感じではなかったので、落ち着くまでそのままにした。そのうち暮らしが忙しくなってきて10日ほど放置していたら、水は透明になったけど、ミジンコやらボウフラやらが水中でうようよしている。このままでは蚊の養殖場になってしまうのだが、ここにたった5匹でも元気なメダカを入れれば、すっかり食べ尽くして綺麗にしてくれるのを自分は知っている。満を持して、メダカの引っ越しを実行。

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このときのメダカたちの様子は忘れられない。新しい鉢の中でほとんど狂ったように縦横無尽に泳ぎ回り、手当たり次第にミジンコを食べまくっていた。やっぱり、生きているえさはメダカにとって格別なのだなあ。案の定、睡蓮鉢の水はたちまちのうちに綺麗になってしまったのだが、それよりもずっと嬉しいことがあった。睡蓮の浮き葉の上に、ボウフラならぬ稚魚の姿がたしかに見えたのである。不思議なことだ。それまで、引っ越し前の鉢でも水草に卵が産み付けられていないか、稚魚が泳いでいたりしていないか、ちょくちょく見てはいたけど何も起きておらず、半分諦めていたのである。今回の5匹はあんまり繁殖能力がないのかな、もう少しメダカを追加したほうがいいのかな、と思い始めていたぐらいだった。この稚魚はどこから現れたのか。前の鉢からメダカを1匹ずつコップですくって新しい鉢に移し替えるとき、こちらが気付かぬ間に生まれていた稚魚も一緒についてきたのかもしれない。どこまで自分の目は節穴なのだろう。とにかく、今年はめでたく白メダカの繁殖に成功していたのだ。本当に嬉しかった。

ほかにも、親メダカと同じ鉢の中で小さな稚魚が泳いでいるのが次々と確認できた。みんな親メダカとは別の場所に隔離しなければならない。メダカを育て始めた当初、やはり稚魚がたくさん生まれて喜んだことがあったのだけど、そのままにしていたらどんどん減ってしまった。どうして?と調べてみると、稚魚を親メダカと同じ鉢で泳がせたままにしてはいけないことが分かった。親が子をえさと間違えてぱくぱく食べてしまうのだという。自分たちの産んだ子供とボウフラの区別もつかないなんて、そんな馬鹿な!という話だけど、蓮鉢という狭い場所に親子が共存するという環境は自然ではないのだろう。そんなわけで、見つけた稚魚はすぐに親メダカの古巣の鉢に移動。水草の根をよく見てみれば、なるほど小さな卵がぽつぽつと産み付けられていたので、それも移動。

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初めて稚魚を見つけてから2週間ほど経った。小さな小さなメダカの数は日々増え続けて、もう20匹以上にはなっていると思う。メダカの繁殖もなかなか人間の思うようには行かないもので、振り返れば4年前に一度うまく行ったきりだった(その当時に書いた記事)。つまり、稚魚たちの姿を見るのは4年ぶりということになる。メダカはごく小さな生き物だけあって、いつの間にか数が激しく増減していることがよくある。あんなにたくさんいたのに、一体どこに消えてしまうんだろう。水中の世界はつくづく不思議。そして、稚魚が日に日に増えて、どんどん魚らしくなっていく今の時期が、やはり育てる側としては見ていて一番楽しい。一日に何度も見に行ってしまう。

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さらに最近は睡蓮にも動きが出てきて、濃い緑の大きな葉が次々広がるようになった。どうやら植え付けに成功してちゃんと根付いてくれたようだ。

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そして、もしかしてもしかすると、これはつぼみではないか、というものが出現。

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睡蓮の花、咲いてくれるといいなあ。

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