めまい、再び/またひとつ星が消えた

当ブログを始めて間もない頃、一昨年の11月あたりからめまいが出始めて、何度かブログ記事のネタにした挙げ句、お医者さんに出してもらった薬で治ったことがあった。それからずっと何事もなかったが、先週末あたりからこのめまいが復活してきた。前回は横になった状態から起き上がると目が回るという症状だったが、今回は寝起きに関係なく常にフラフラしていて気持ち悪い。動悸、息切れ、めまいと、現在の体調はあんまり絶好調とは言えない。原因はまあ、ストレスだろう。コロナ騒ぎのことに限らず、わずかの間に周辺のさまざまな状況がガラリと変わった。今年の初めに見えていた景色と、2月以降の景色が全然違う。自分の周りの色々なことがぐるぐると攪拌されて不透明になったところに、外出自粛であらゆることが保留になり、先が見えない状態がずっと続いている。来月あたりから、万事もう少し落ち着いてくるとよいのだけど。

さて、めまいは英語でヴァーティゴだが、めまいがしている状態はディジーである。ディジーで思い浮かぶのは、「Dizzy Miss Lizzy」のほかにはトミー・ロウのバブルガムな69年のヒット曲「Dizzy」がある。YouTubeで見つかるこの曲の動画には、ミニスカートのお姉さんがひたすら反復ループして踊るというアホアホな映像が付いていて、ずっと見ているとめまいが悪化しそうである。


トミー・ロウ、62年にはバディ・ホリーそのまんまなスタイルの「Sheila」をヒットさせていて、ハンブルグ時代のビートルズも取り上げていた。ヴォーカルを取るのは、ジョージ。この曲にぴったりとはまっている。62年ハンブルグライブ盤で聴けるビートルズは、本家バディ・ホリーの「Reminiscing」も演奏していて、これのヴォーカルもジョージ。ヒーカップ唱法とか、うなりを入れるところとか、あらためて聴くとバディ・ホリーの歌真似が驚くほど巧みである。きっと、デビュー前のビートルズでバディ・ホリー担当はジョージだったのだろう。こういうジョージ、もっと聴きたかった。


そして先日、そのハンブルグ時代のビートルズに大きな影響を与えた、アストリッド・キルヒャーが亡くなってしまった。言うまでもなく、ハーフシャドウとマッシュルームカットという、自分がどうしようもなく憧れた初期ビートルズのイメージを作り出したのがアストリッドだった。こうやって、ビートルズ物語の大切な登場人物がひとりひとりこの世からいなくなってしまうのは、夜空の星座から星がひとつずつ消えていくようで、淋しい。訃報があったとき、クラウス・フォアマンがアストリッドの肖像画をInstagramに投稿していた。命が宿っているような眼差しから、アストリッドがクラウスにとって今も大切な人だったことがよく伝わってくる。肖像に添えられた、「Rainin’ in my Heart」というクラウスの言葉。これも、バディ・ホリーの曲。クラウスにはまだまだいつまでも元気でいてほしい。

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ハンター・デヴィス著のビートルズ伝記に載っている、アストリッドとスチュ。この本を今になって読み返すことはないけど、10代の自分にはバイブルだった。

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