インド日記2011年2月:新居が決まる

春に引っ越す新居が先週決まって、諸々の手続きや手配を始めている現在の自分だが、今からちょうど10年前にも、ムンバイで2つ目に暮らした部屋の入居が決まっていたようだ。インド生活の終わりまでその部屋で暮らすつもりだったが、徐々に暮らしづらくなって3年後にまた引っ越している。インド生活では3箇所の部屋を渡り歩き、物件探しでは全部合わせて40~50部屋は見たと思う。部屋探し経験だけはやたらと豊富だが、ひどい物件もかなり多く、快適に暮らせそうな部屋はとても少なかった。日本のような組織的な不動産屋がほとんど見当たらず、家族知人関係のつてがなければ物件探しは厳しいと思っていたが、ネットとケータイのおかげで外国人でも独力で不動産屋とつながることができた。内見では、まだ住人が普通に暮らしている部屋にお邪魔することも少なからずあり、せっかく来たんだから食べていきなさい、と軽食をごちそうになってしまうことすらあった。苦労した部屋探しも、今となってはインドでしか経験できない貴重な思い出として記憶に残っている。

去年の10月頃からかれこれ20箇所ぐらい見てきた新居探しだが、ようやくほぼ予算内で良い部屋を見つけることができた。

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右側の窓からは海が見える!

4年半前、まだ右も左も分からないムンバイで部屋探しを始めたときには、インド暮らしの恩人であるSさんが幅広い友人知人関係をばりばり駆使して、次々といろいろな部屋を見せてくれたのだが、今回は自力での部屋探し。日本だったらまず不動産屋に入って物件情報を見せてもらうところだが、ムンバイ、少なくともバンドラ・イースト内には、不動産屋らしきオフィスがまったく見あたらない。大家さんの紹介で知っている不動産屋が一軒あるのだが、外見は完全に布地を売る店で、その奥に不動産屋のデスクがある。こんなのは直接知っていなければ絶対に分からない。まずはそこに頼んで近所の物件を二件ほど見せてもらった。あとは、現在のフラットを契約する際に関わったおばさんエージェント二人組。彼女たちは近所に住んでおり、道でしょっちゅう行き会って挨拶したりしていた。そちら経由では一件。そのほかにもSさんや知人の関係で二件ほど見たが、狭い交友関係で直接アプローチできたのはここまで。そこから先はインターネットに頼るしかなかった。

利用したのは、magicbricksとiPropertyという2つのサイトだった。そこで希望の地域、予算、間取りを選択して検索をかけると、ずらっと物件が出てくる。物件情報のページには、担当エージェントに携帯メールを送る機能があって、まずはそこでめぼしい物件にメールを送りまくってみた。するとやがて電話がかかってくるのだが、ネットで問い合わせた物件そのものの話になることはまずない。改めて地域、予算、間取り、個人なのか企業なのか(これは必ず聞かれる)、いつ入居したいのかを聞かれて、またかけ直してもらうことになる。それきりになることもあるが、条件に合う物件があれば電話がかかってきて、待ち合わせ場所と時間を決め、実際に物件をいくつか見せてもらう(3~4件回ることが多かった)。メールを送っても連絡をよこさないエージェントも結構いるし(何のためにサイトに登録しているのか?)、サイトに載っている物件が既にふさがっていたりするケースもよくあったので、検索結果はエージェントの電話番号を知る手段と割り切り、メールでなく直接電話をかける戦法に切り替えた。そうやって見つけたエージェントの中には、とんでもないのも約一名いたが、やがて頼れる好青年のエージェントに出会い、彼の的確な仕事のおかげでいい物件を紹介してもらえた。インドの神様はまだまだ味方してくれているようだ。

それにしても、最近のムンバイの家賃高騰ぶりは酷い。4年半前に部屋探しをしていたときは、ほとんどムンバイ中心部で探していたのだが、家賃の水準は現在のバンドラ(ムンバイ郊外)の半分ぐらいだった。マハーラシュトラ州知事公邸(ラージ・バワン)を見下ろす絶好の眺望の部屋でさえ、3万ルピー(6万円弱)台だった。下の写真は、2006年当時に撮った、その部屋からの眺望。今ではいくらになっているやら。

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